いい包丁を買ったらまず揃えたいのが砥石。
とはいえ色々な番手(荒さ)があり、何を選んだらいいか分からない、それを解決してくれるのが包丁工房タダフサさんの「基本の砥石セット」なのです。
基本の砥石セットの番手は#800といういわゆる「中研ぎ」と呼ばれるものになります。
刃こぼれをしてしまった包丁やちょっぴり錆びてしまった包丁には#400のもっと荒目のもの。
逆にもっともっと鋭く研ぎたいのであれば#800で研いだ後に#1500以上のもっと細かい砥石で研ぎます。
今回の基本のセットに含まれる「基本の砥石セット」の砥石台は、同じく包丁工房タダフサの#400・#1500・#300の包丁もセットできるので、自宅でもっともっと切れ味を極めたいと思ったころに買い足すのがおすすめです。
丁寧な研ぎ方と
頻度の目安について
砥石を水に20分ほど浸します。砥石は焼き物なので熱湯をかけると割れてしまいますので、絶対にお水を使ってください。
硬く絞ったタオルを机にのせ、その上に砥石台・砥石をのせます。
利き手で包丁を握り、指を背に当てて砥石にのせます。反対の指をなるべく刃に近い位置に2本添えて、体に対して包丁は45度にします。
包丁の角度は10円玉2枚分で、角度でいうと15度ほど。小指の先を差し込んだくらいの角度という表現が一番分かりやすかったです。
思っているよりもちょっと寝かせ気味だなと最初は感じるかもしれません。
研ぐときは刃元(手元側の刃先)から順に、三徳包丁であれば3分割くらいにして研ぎます。
角度を保ったまま、包丁を一定の速さで前後に10から20回ほど上下に動かして研ぎます。力を入れて削るというよりも、包丁の角度をキープして砥石に当てながら大きく押す→少し力を抜いてすっと引く感覚です。
・研いでいる最中に出てくる泥のような水は、「砥どろ(とどろ)」と呼ばれるものです。研磨剤の役割を持つため、洗い流す必要はありません。
・砥石が乾かないいよう、定期的にお水をかけてあげましょう。
刃元が終わったら、刃中(中央部の刃先)から切先(刃の先端部)を順に研いでいきます。
先端は包丁の持ち手を少し持ち上げるような感覚で、刃先をしっかり砥石に密着させるように研ぐのがポイントです。
表面を研いだら刃先を撫でるように触り、金属がまくれてできた小さな引っ掛かりがあるかどうかを確認します。この引っ掛かりは「かえり」や「ばり」といい、あれば上手に研げている証です。
均等にかえりができていたら裏返して研いでいきます。このとき利き手の親指は背に、人差し指は刃に当てると研ぎやすくなります。裏面は表面の逆で、刃先から順に研ぎます。
裏面も研げたら同じようにかえりがあるか確認します。もしあれば研ぎ作業は終了です。
かえりが確認できたら、裏返して数回研ぎ、かえりを研ぎ落としましょう。
かえりを落とす方法はいくつかありますが、砥石を使う方法は、砥石に対して垂直に包丁を当て、15度にキープ。力を極限に抜いて刃元から刃先までスーと引きます。これを2回ずつくらい表面→裏面とかえりがなくなるまで繰り返します。
文章で見るとちょっと大事に見えますが、実際は流れ作業のように行うのでそう難しくも大変でもありません。
新聞紙や古い布を使うやり方は、新聞紙を数枚丸めて置き、包丁を垂直に立て力を抜いて左右にこすりながら刃元から刃先にスライドさせる、を数回繰り返します。
全て研ぎ終えたら包丁をきれいに洗い、水気を拭き取って乾燥させれば研ぎは終了です!砥石も乾燥させてから保管しましょう。
砥石は繰り替え使っていくと表面が平ではなくなり、研ぎにくくなってしまいます。
そんなときは外にフラットなコンクリートブロックがあるならそれで、なければ砥石をなおすための砥石「荒砥石用面直し砥石」でゴシゴシ削って、平らにしてあげてください。
研ぎの目安は、トマトや鶏肉の皮が分かりやすい指標になると思います。
放置すればするほど研ぎにかける時間が長くなってしまうので、個人的には月に1、2回ほどがそこまで負担にもならずベストですが、毎週にササッと研ぐのを習慣にしている方もいるので、自分にとって一番負担にならない間隔を見つけるのがおすすめ。
錆びや欠けが発生してしまったり、購入時の素晴らしい切れ味が恋しくなったらプロにお任せしてしまいましょう。
「庖丁工房タダフサ」さんによる
オンライン庖丁研ぎ直し教室
とにかく丁寧で、わかりやすいのでまずはこちらをみていただくのがおすすめです!