『目止め』とは米のとぎ汁などで器の表面をコーティングすることで、陶器や土鍋など表面に無数の穴が空いている器に染み込もうとする料理の汁気や油の染み、さらにはヒビ割れなども防いでくれます。もちろん目止めをしたからといって染み込みや割れを完全に防ぐことは出来ませんが、定期的に行うことでより買った時の状態を長持ちさせることができるんです。
器の目止めのやり方
使い込むうちに出てくる経年変化が好きな人は、そう何度も行わなくても良いと思いますが初めの1回はカビや汚れを防ぐという目的のためにも必ず行いましょう。
一度に大量の器を購入すると少し面倒かもしれませんが手順としてはとっても簡単です。まず器が完全に浸る大きさの鍋などに米のとぎ汁と器を入れます。米のとぎ汁がなければわざわざ用意しなくても生米を1〜2つかみ(鍋の大きさによってはもっと)、それもなければ1リットルに対して片栗粉大さじ1〜2杯程度を鍋に入れ、弱火〜中火で沸騰させた後に沸き立たないよう弱火で煮沸します。
器が鍋や他の器とぶつかってしまうのを防ぐため、布巾を敷くか挟みましょう。このとき色付きの布巾だと色移りしてしまう可能性があるので白がおすすめです。
20分ほど経ったら火を止めて器が冷めるまでしばらく放置。
長時間浸けたままにすると器が必要以上に水分を吸収してしまうそうなので、水がほんのり温かくなったころに出せばOKです。また、器を急冷すると破損してしまう恐れがあるそうなので絶対にしないよう気をつけてください!
取り出した器はぬめりがなくなるまでよ〜く洗います。
洗った後は乾いた布でしっかりと拭いてから自然乾燥。外見上乾いていても給水した水分が残っていて、そのまま収納するとカビの原因になってしまうので余裕を見て1日以上置くといいみたいです。
土鍋の目止めのやり方
必ずしもやる必要のない器に対し、土鍋の目止めは超重要!土にある無数の穴を埋めることで、亀裂が入ったり、細かな目に匂いが定着して取れなくなったりという様々なトラブルを防ぐことができます。
購入したらすぐに目止めをしたくなりますが…ここはぐっと我慢してまずは水洗い。よくすすいだら底面の素焼き部分がしっかり乾くまで乾燥させます。
それができたらお待ちかね、目止めの時間です。やり方は器よりも簡単で、土鍋に8割ほどのお水を入れ、研ぎ汁や片栗粉・小麦粉などでんぷんが含まれているものを入れます。
わたしのおすすめは生米一掴み。ご飯に含まれるたっぷりのでんぷんが、土の目を塞ぐつなぎとなってくれます。
火にかけて蓋をせずに加熱します。沸騰したらそのまま弱火で煮込みます。吹きこぼれないように注意してくださいね。
数十分ほど経ったら火を止めて完全に冷めるまで放置。冷めたらぬめりが残らないように洗って、しっかりすぎるくらい充分に乾燥させます。
器もそうですが、濡れた状態のまましまうとカビが生えたり、火にかけると割れてしまう恐れがあるので気をつけてください。
土鍋は使用すればするほど土と釉薬の収縮率の違いによる発生する細かいヒビのような模様、貫入が増えていきます。
貫入は火にかけたときの膨張する力を分散させ、土鍋が割れてしまうことを防いでくれるという効果もありますが、水が染み込む可能性もあります。そのため定期的に目止めを行い、貫入を埋めてあげるのがおすすめです。