クラフト石川(個体販売)
手に馴染む、
心温まる器たち

初めてクラフト石川の器を手にしたのは、2022年の陶器市でのこと。
そのときは「クラフト石川」という名前も技法も知らず、ただその形の素朴な温かさと釉薬のやさしい色合いに惹かれて購入しました。

手に馴染む重さと使いやすさ、どんな料理にも溶け込むデザインが気に入り愛用し続けていたところ、日頃お世話になっている「かもしか道具店」さんから「クラフト石川」の器を取り扱い始めたとの連絡が。

話を聞いてみると、クラフト石川さんは後継者の不在により事業の存続を断念。そこで事業継承の打診をうけたかもしか道具店さんがその精神と技術を引き継ぐことになったのだとか。
大切に思うモノたちが、こういった違う形で未来につながっていく…、こんなに嬉しいことはありません。

クラフト石川の器は、「たたら成形」という技法で作られています。
この技法では陶土を板状に伸ばして形を整えますが、実際にやってみると、均一に伸ばすだけでも非常に難しいのです。

実際、私自身も陶芸体験で何度かたたら成形を試したことがあります。
土を均一に伸ばし、積み上げていく。ただそれだけの工程が、どれほど難しいことか…。

出来上がった初めてのお茶碗は、良く言えば非常に頑丈で、落としても割れない安心感があるものでしたが、持ち続けていると腕が疲れてしまうほどの重量感…。
形も愛らしさとは程遠く、厚みや歪みが目立つものでした。

それに比べ(比べるのも大変おごがましいですが…)クラフト石川の器は適度な重さと手触りの心地よさがあり、それでいてたたら成形ならではの「たわみ」や釉薬の自然な流れが生む独特の表情があり、手仕事ならではの温もりもしっかりと感じさせてくれます。

派手さや特別感ではなく、ただ静かに、けれど確かに暮らしの中に寄り添う器。
クラフト石川の器は、日常の中で何度も手に取りたくなる道具です。
ぬくもりある風合いが、いつの間にか日常の一部になっていくような、そんな不思議な魅力を持っています。
写 真 :Yuto Tenjin
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