本家松永製作所

血の通った文化を感じる
手打ち製法で作る渾身の包丁。

作り手である本家松永製作所は、昭和22年の創業以来、一貫して手作業で道具を作り続けてきた歴史ある鍛冶屋。包丁はもちろん、農具、漁具、山林刃物といった暮らしに根差した道具を幅広く生み出す「野鍛冶」として、地域の人々の生活を支えてきました。

1950年代以降、農業の機械化や、大量生産の低価格刃物の登場によって、かつて全国に点在していた野鍛冶の多くが廃業に追い込まれました。

手入れをして使い続けることが当たり前でなくなった現代を問い直すかのように、本家松永製作所は今もなお、鉄を熱し、ハンマーで鍛え、刃を成形する、伝統的な「手打ち」製法で素晴らしい道具を作り続けています。

ぬらぬらとした独特な艶のある刃には料理に対する構えが正されるようなある種の畏れを、その鋭い切れ味には背筋が伸びるような緊張感を覚えます。

オーラというか凄みというか、手にした方にはきっと共感していただける「なにか」が宿った道具です。

野鍛冶の仕事は、「ひとが生きることそのもの」と深くつながっています。土を耕し、作物を育て、収穫する農具。そして、その恵みを食卓へ届けるために切り分け、命をいただくための包丁。この深いつながりと、長い年月をかけて培われた歴史の厚みが、自動化された工業製品とは一線を画す、厳かさとも言える特別な空気感をこの包丁に与えているのではないかと思うのです。

最高峰の切れ味と
メンテナンスの手軽さを両立。

刃には、青鋼を芯材にし、外側をステンレスで挟み込む三層構造を採用。

「青鋼(青紙鋼)」は、「白紙鋼」をベースに、クロムとタングステンを加えることで、さらに強靭さと耐摩耗性を向上させた特別な鋼です。 非常に硬度が高く、切れ味の持続性に優れている一方で、研ぐのが難しく、錆びやすいというデメリットもあります。

そこで、この包丁では外側をステンレスで挟み込むことで、鋼の優れた切れ味と、錆びにくさやお手入れのしやすさを両立。

日々のメンテナンスにそこまで気を遣わなくても、しっかりとした切れ味が保たれます。



三徳・菜切り・ペティ。
みんなちがって、みんないい。

「三徳包丁」は肉・魚・野菜とオールラウンドに対応する万能型。

刃先は17cmほどで、重量は一般的な三徳包丁よりもやや重めの設計。この適度な重さが切れ味と相まって、食材にスッと刃が吸い込まれるような感覚を味わえます。

「包丁は軽いほど使いやすい」というなんとなくのイメージを丁寧に改めてくれる、そんな一丁です。



続いてこちらが「菜切り包丁」。

三徳包丁よりも刃の面積が大きいため、重量も若干重くなります。

刃幅があり、刃線が真っすぐのためまな板に対して水平で隙間が生まれにくく、小口切りや薄切りにはまさに打ってつけ。

果物などの皮むきにも使いやすく、「わざわざ分けて使う理由」は、実際に手に取った人こそ実感できるはずです。

菜切り・三徳の柄には 焼き栗 を採用。握ってみると、栗の木特有の 密度の高さ が生み出す しっかりとした握り心地 を感じられます。

果物のカットや皮むき、ちょっとした下ごしらえに便利な ペティナイフは、4寸(約12cm)という絶妙なサイズ感で、細かい作業にもぴったり。

柄には クルミ材 を採用し、菜切りとも三徳とも違う三徳や菜切りとは異なる角ばったフォルム で、繊細な作業をする際にも安定感があります。

使い込むほどに風合いが変化し、自分の手に馴染んでいくのも魅力のひとつです。

※ 包丁はすべて職人が手作業で作る一点物であるため、サイズや重量には個体差があります。あらかじめご了承ください。


料 理  :Moe Kuriyama
写真・文 :Yuto Tenjin
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