電子レンジ・冷蔵庫OK
使いやすい!が詰まったごはんの鍋
ご飯用のお鍋でご飯を炊いたことがある方ならお気づきかもしれませんがこの蓋…、蒸気穴がありません。
蒸気穴をつけると鍋蓋と本体の隙間から蒸気が逃げてしまいご飯が美味しく炊けません。かといって蒸気穴を無くしてしまうと大量の吹きこぼれが生じてしまうため、多くの土鍋では蒸気穴を開け、その分蓋を二枚重ねにするという手法で美味しさの均衡を保っています。
かもしか道具店のごはんの鍋は蓋受け部の立ち上がりを高く設計してあり、吹きこぼれを阻止。二重蓋が必要ないので見た目もスマートで収納に困りません。
このスマートさが活きるもう一つの利点、それは電子レンジで温められること。
土鍋で炊いたご飯は保温ができないため、これまでは昼には昼の分・夜には夜の分を炊いていましたが(もちろん炊飯器を使う日もあります。)、ごはんの鍋ならまとめて炊いておき余った分はそのまま放置、もしくは冷蔵庫へ。再び食べる際にお鍋ごと電子レンジで温めてしまえば炊き立てに近いお米を簡単に味わえます。
水分が不足している時は鍋から補充・多すぎる時は鍋が吸うという調湿機能が働くため、温め直さなくてももっちり美味しい冷やご飯も楽しめます。
強火→弱火→放置。
3ステップで完成する極上のご飯
ご飯が美味しく炊けたかどうかはこの表面の空いた小さな穴、通称「カニ穴」で分かります。
このカニ穴は強い火力で熱することで上がってきた水蒸気がお米を押し上げて上へ逃げることでできる道で、この現象が起きるとお米全体に蒸気が回るだけではなく、釜内の圧力も上がります。その結果お米が一粒一粒ふっくらと炊き上がるのです。
まずは付属の説明書通りに炊いてみて、そこから自分の好みの硬さや火加減を見つけるのが一番良いとは思いますが、個人的には浸水時間が大切だと思っています。
説明書には3合の場合、540ccのお米を研いでから600ccのお水で20分ほど浸水とありますが、わたしは研いでから浄水したお水で30分以上(冬場は1時間ほど)浸水。その後水を切ってから冷たいお水600ccを加えて炊いた方がより美味しく感じました。
炊き方は説明書通り中火よりやや強火で15分。(3合以下の場合はもっと少なくてもOK)。蒸気が出たら弱火で5分。火を止めて20分ほど蒸らす、これだけです。火加減を1度変えるだけなので何ら難しいことはありません。
美味しく炊けたお米は本当にやさ〜しくさっくりと混ぜ、内側から外側へすくうようにお茶碗へ。ここに明太子さえあればもうもう…言うことなしですね。
3種のサイズと
白黒から選べます
ごはんの鍋は使う人にとって分かりやすい、炊くご飯の量に合わせた3つのサイズ展開と、白と黒の2色からお選びいただけます。
ぽってり感が増して見える白と、白いご飯がより一層際立つ黒。どちらもステキで悩んでしまいますね。
どのサイズもかもしか道具店のロゴがかわいい、専用の箱に入っています。新築・結婚などのお祝いにも。
使い終わったらしっかり乾かすだけ!
意外と手がかからないんです。
はじめて使用する際はやさしく水洗いして、乾ききってから「目止め」作業を行ってください。器の場合ですと米のとぎ汁に入れて煮るだけでしたが土鍋はもっと簡単で直接火にかけるだけ。
説明書通り米のとぎ汁を利用してもいいですが、わたしのおすすめは米直入れ。土鍋に8割ほど水を入れたら一握り生米を入れ、弱火で蓋をせず数十分煮込んでから冷めるまで放置。完全に冷めてから洗って乾かします。
ちょっぴりお米がもったいないですが、とぎ汁よりも多くのでんぷんが土鍋の土に入り込み割れやニオイ移りを防いでくれます。
目止めは最初だけでなく定期的に行うことでより土鍋を逞しく育てることができます。初めの一回でなければお粥も食べられますし、年に数回行ってあげるといいと思います。
基本的に手のかからないお鍋ではありますが、お手入れに関する最も大事なポイントが充分に乾かすこと!
特に底面は釉薬のかかっていない素焼き仕様なので、使い続けるうちにこんがりと焼き色を楽しめる反面 給水しやすいのです。水分が残ったまま収納するとカビやニオイ移りの原因に、火にかけるとひび割れの元となるので使い終わったらひっくり返してしっかりと乾かしましょう。目安としては、底面を触ってみてサラサラしていれば大丈夫です。
また、使用すればするほど土と釉薬の収縮率の違いによる発生する細かいヒビのような模様、貫入が増えていくのですが、火にかけたときの膨張する力を分散させ、土鍋が割れてしまうことを防いでくれる働きがあります。
つまり、増えていくほど割れにくい土鍋に育った証拠ですので安心してください。
料理・文:Moe Kuriyama(
@moe__meshi_)
写 真 :Yuto Tenjin
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