グレー味を帯びた白に藍色の絵付けが映えるいろはシリーズは、半磁器と呼ばれる、陶器と磁器の性質を併せ持っています。

レンジや食洗機にも対応し、磁器製の器だからこそ実現できる薄さと、つるつるとした手触りが特徴的です。

しかし陶器独特の土の風合いもあり、特に口の広い器になればなるほど時折混じる鉄粉や砂の存在が目立つため、土ものの不均等さを感じられます。

馴染みがないはずなのにどこか懐かしいと感じてしまうのは、どれも江戸時代より愛された「くらわんか椀」の文様だからでしょうか。 

大きな丸が三つ並ぶ「丸文」、器全体に線が迷路のように張り巡らせてある「麻の葉文」、筆の形状を生かしつつ菊を描いた「菊文」。
それぞれの持つ意味は異なりますが、どれも縁起の良いものが描かれています。 

絵付け部分は筆跡や隅溜まりがそれぞれ異なり、職人の手仕事を感じさせてくれます。

また、あえて焦げやすい絵具を使用することで、同じ模様であっても 力強い・やさしい・かわいらしい・やわらかい など。印象がまるで異なるのもおもしろい一面です。

また、いろはの魅力として大きな役割を担っているのがこのなんともいえないカラーの縁取り。

藍色とほどよい白さの素地を、やさしさはそのままにぐっと引き締めてくれます。

大きな絵付けは、どんなおかずを乗せても存在感があり、料理をより引き立ててくれるような気がします。

特に赤や黄色など、カラフルになればなるほどその彩りが引き立ち、箸が進みます。

ちなみに丸文の丸の数が五つなのは大皿だけの特別仕様となっています。

だからなんだと言われたらそうなんですが、気づいた時にちょっと嬉しくなってしまったポイントなので共有しました。

大皿とはいいますが、数字にするとおよそ22cm。

家族で分け合うおかずを盛るにも小さすぎず、ひとりで使うにも大きすぎないまさに絶妙なサイズ感。

また、リムが緩やかなカーブを描いているため、プレートと大鉢のようなることができます。

パスタや炒飯などはもちろんのこと、カレーや天津飯など汁気の多い料理も乗せられたりと使い勝手の良さが光ります。