円とも四角とも違う特徴的な多角形をしたぺイヴシリーズ。この形状は家紋などにも取り入れられている隅切り角という伝統的な形だそうで、たしかにちょっと厳かな雰囲気を醸し出しています。

凛とした佇まいや立派な高台（お皿の底にある支え）があることから晴れの日用のお皿に見えますが、意外といつも通りのおかずを乗せても。思わずテンションが上がってしまうくらいには上品に見せてくれる”力”を持っています。

そんなとにかくカッコよさを前面に出したようなお皿ですが、裏面はシリーズ名を囲う枠がなんともかわいいのです。

また、どのサイズでも料理を盛る面が真っ平らではなく中央にかけて少し低めになっているので、汁物やタレをかけるタイプの盛り付けが難しいおかずもこの通り。

せっかく作った料理を少しでも簡単に、綺麗に見せたいという気持ちに寄り添ってくれる優しさを感じます。

独特な形・高台の他に目がいくのはこの寒色なのに温かみを感じる釉薬。三色とも色味はもちろん手触りや素材まで異なるので、3.5寸小鉢に同じおかずを盛ってみても全く違う仕上がりに。

生成りは焦げ感や鉄粉（黒い点）が特徴的な優しいクリーム色で、おかずや一緒に並ぶお皿を選びません。

パッと目を引く濃藍は小鉢だと食卓に馴染むのに、18cmのサイズになると淡い色と濃い色のコントラストが際立ち、急に存在感を放つような不思議な色味です。

そして青磁はガラスのように透き通った水色と、貫入というヒビのような模様（割れる時のひびや傷とは異なります。）がより凛々しさを際立てています。

この貫入は使い続けていくうちに増えることもありますし、色の濃い料理を乗せ続けていたりすると線が濃くなったりと経年変化を楽しめます。育てている感覚が強く、使えば使うほど愛着が湧きます。